KPI(Key Performance Indicators、主要業績評価指標)とは、組織や個人のパフォーマンスを評価するための、定量的な指標です。 目標に対して、達成度を測定するために使用されます。
▼KPI管理の重要性
企業が事業を拡大・売上を向上させるためには、自ら設定した目標を達成していく必要があります。 その貢献度を組織・個人単位で評価し、または達成できなかったときの改善を促進するため、 実績をKPIに照らし合わせて分析していくことは非常に重要と言えるでしょう。
▼KPI管理を行うことによって得られるメリット
KPI管理は企業の効率性、成果、競争力を向上させるための重要なツールとなります。 具体的には、下記の通りです。
① パフォーマンスの可視化
KPI管理は組織のパフォーマンスを可視化します。 数値データを使用することで、目標達成度や成果を明確に把握することができます。
② 目標達成の追跡
KPIは組織の目標や戦略的目的とリンクしており、その達成度を測定します。 KPI管理により、目標の進捗状況を定期的に追跡し、達成度を把握することができます。
③ 意思決定の支援
KPIデータは経営者や管理者が意思決定を行う際に重要な情報源となります。 KPI管理により、組織の強みや改善の必要性を明確に把握し、戦略的な方向性を決定することができます。
④ パフォーマンスの向上
KPI管理は組織がパフォーマンスを向上させるための手段となります。 KPIデータを分析し、問題の原因を特定し、改善策を実施することで、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。
⑤ 目標の透明性と共有
KPI管理は組織内で目標や期待値を透明化し、共有することを可能にします。 これにより、従業員は自身の貢献度を把握し、組織全体の目標に向けて協力する意欲が高まります。
⑥ リソースの効率的な配分
KPI管理は組織がリソースを効率的に配分するための基準を提供します。 KPIデータを分析することで、リソースを最も必要とする領域に重点を置くことができます。
▼人材紹介業におけるKPI管理の具体例
人材紹介業においても、効率性、成果、競争力を向上させるため、KPI管理は有効と言えます。 以下では、人材紹介業における一般的なKPIとその管理方法を上げさせていただきます。
① 採用決定数・入社数
人材紹介業では、求職者を企業に紹介し、採用が決定・入社後に手数料を得られるビジネスモデルです。 そのため、採用決定数や入社数は、売上に直結する重要なKPIの1つであり、 ある期間内に何人の求職者が企業に採用されたか・入社したかを測定します。
② 求人応募数・問い合わせ数
求職者からの応募や問い合わせの数は、人材紹介業の業績評価において重要なKPIの一つです。 求職者の応募や問い合わせの数が多ければ多いほど、母集団が増え、 優秀な人材を紹介・採用の決定をできる可能性が高まります。
➂ 書類選考数・面接数
求職者の集客ができていても、実際に紹介した企業の選考・面接に進んでいなければ意味がありません。 求職者がどの程度求人に応募していて、どのくらい選考・面接に進んでいるのかという指標は、 求職者自身の転職活動の指標にもなりますし、その人材の採用を決定させるための重要な参考値となるでしょう。
④ 紹介料の獲得額
人材紹介業では、企業からの紹介料が主な収入源です。 紹介された求職者が採用された際に得られる紹介料の獲得額は、業績評価の重要なKPIとなります。 紹介料の獲得率や平均獲得額を分析することで、ビジネス戦略の改善に活かすことが可能となります。
▼人材紹介業におけるKPI管理の手順
KPI管理の方法にはいくつかのステップがあります。 人材紹介業における一般的なKPI管理の手順を、下記にて上げさせていただきます。
① KPIの選定
最初に、企業の戦略的目標や業務プロセスに最も関連性の高いKPIを選定します。 採用数、応募数、面接数、紹介料の獲得額など、前項で上げた内容が一般的なKPIの例です。
② KPIの定義と目標設定
選定したKPIに対して、明確な定義と目標を設定します。 目標は、業界標準や過去の実績などを考慮して現実味のある、達成可能性のあるものである必要があります。
③ データの収集
KPIの管理には、定量的なデータの収集が必要です。 求職者からのフィードバック、採用者の数、求職者母集団の規模など、選択したKPIに関連するデータを収集します。
④ データの分析
収集したデータを定期的に分析し、KPIの進捗状況や業績の傾向を把握します。 どのKPIが目標を達成しており、どのKPIが改善の必要があるかを特定します。
⑤ 対策の立案と実施
分析結果に基づいて、業績を改善するための具体的な対策を立案します。 例えば、応募数が不足している場合は、求職者集客方法の見直しや、マーケティングの改善を検討します。
⑥ モニタリングと評価
実施した対策の効果を定期的にモニタリングし、評価します。 KPIの進捗状況と目標達成度を定期的に追跡し、必要に応じて対策を調整します。
⑦ 報告とコミュニケーション
KPIの進捗状況や改善策の効果を関係者に報告し、コミュニケーションを行います。 組織全体でKPIの重要性を共有し、目標達成に向けて協力して取り組みます。
▼KPI管理をサポートするツール
KPI管理をサポートするツールは様々なものがありますが、自社のニーズや目標に合った、適切なツールを選択することが重要です。 以下では、KPI管理に使用される一般的なツールをご紹介します。
①ビジネスインテリジェンスツール(BIツール)
データを視覚化し、ダッシュボードやレポートを作成してKPIの追跡や分析を支援します。
- Power BI
- Tableau
- Google Data Studio
- QlikView
② パフォーマンス管理ツール
企業の戦略的目標やKPIを設定し、進捗状況を追跡するのに役立ちます。
- OKRツール(例: Workboard、BetterWorks)
- Balanced Scorecardツール(例: BSC Designer、QuickScore)
➂プロジェクト管理ツール
プロジェクトやタスクの進捗を追跡し、KPIに関連する作業を管理するのに役立ちます。
- Trello
- Asana
- Jira
③ クラウドベースのデータウェアハウス
クラウドベースのデータウェアハウスは、大規模なデータセットを集約し、リアルタイムでのデータ分析やKPIの追跡を可能にします。
- Amazon Redshift
- Google BigQuery
- Snowflake
④ 顧客関係管理(CRM)ツール
CRMツールは、顧客とのやり取りやセールスパイプラインの管理を支援し、顧客関連のKPIを追跡します。
- Salesforce
- HubSpot CRM
- Zoho CRM
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▼自社事業に合わせたKPI設定が可能
書類選考/面談/面接/内定/入社など、どのタイミングのKPIを測定したいのか、 自社事業に合わせて設定ができます。 また、日程消化率に対しての達成ペースが自動で表示されるため、 目標を達成するために、現時点で何をするべきかが一目で分かります。
▼売上予測を可視化
「内定中の求職者が承諾したら、どれくらいの売上になるか」 「売上目標を達成するためには、どの進捗に力を入れるべきか」 上記を可視化するために、求職者が採用決定した際の売上予測金額を設定し、管理することができます。
▼選考中の注力人材を抜け漏れなく管理
KPIを構成している人材の選考状況やネクストアクションを一覧表で管理できます。 売上予測金額がいくらの求職者が、どの企業の何次選考まで進んでいて、誰がいつまでに何のアクションをする予定か、という事項を抜け漏れなく把握することが可能です。
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